50歳で介護職を辞めたい人が知っておくべき5つの現実と対策


「もう体がもたないかも…」
「このまま働き続けていいのかな…」
50歳で介護職を続けている方の中には、日々の疲れや将来への不安から、「辞めたい」と感じることがあっても不思議ではありません。
夜勤、体力、人間関係、給料…。若い頃とは違う悩みや限界に直面する中で、「このまま続けるべき?それとも辞めて別の道を探すべき?」と揺れ動いている方も多いはず。
でも、辞めたい気持ちは“甘え”ではなく、“あなた自身を守るためのサイン”です。
この記事では、介護職を辞めたい50代の方に向けて
- 辞めたい理由と共感できる体験談
- 辞めたあとの現実と生活の変化
- 転職先の候補や収入、資格の活かし方
- 不安への対処法や辞める前にやるべき準備
などを、実例とともにわかりやすくお伝えします。
実例や体験談は僕自身の介護業界20年の強みを活かし、元同僚や知り合いのつてから独自に意見を集めました。
辞めることを決めた人にも、まだ迷っている人にも、きっと役立つ情報となるはずです。



「辞めたいけど怖い」そんな気持ちを抱えているあなたにこそ、ぜひ読んでいただきたい内容です。
- 50歳で介護職を辞めたいと感じる理由や実際の体験談からの気づき
- 辞めた後の生活の変化や再就職先の現実的な選択肢
- 介護福祉士やケアマネなど資格を活かせる働き方の具体例
- 退職前に確認すべきチェックリストや準備しておくべきこと
- 生活費や不安に対処するための制度や収入確保の方法
【体験談あり】50歳で介護職を辞めたいと悩んだときに読むべき話


50歳で介護職を辞めたいと悩んだときに読むべき話についてお話しします。
- 「もう限界…」50歳で介護職を辞めたいと感じる瞬間とは?
- 介護職を辞めた人のリアルなその後【体験談3選】
- 辞めたいけど不安…50代が取るべき3つの選択肢
- 今すぐ辞める前に確認したい5つのチェックリスト
それでは、順番に解説していきます。
①「もう限界…」50歳で介護職を辞めたいと感じる瞬間とは?
50歳という年齢は、人生の折り返し地点を越え、体力や価値観にも変化が出てくる時期です。
そのなかで介護職という仕事は、肉体的にも精神的にも負荷が大きいため、ある日突然「もう限界かもしれない」と感じてしまう瞬間があります。
たとえば、こんな声が実際に多いです。
- 「上司の思いやりのない言動、きつい指導、パワハラなどがあった」
- 「腰痛や関節痛が慢性化して、仕事中に動くのがつらい」
- 「同僚の言動(きつい言い方・悪口・嫌み・嫌がらせなど)でストレスがあった」
- 「同じ利用者から毎日暴言を浴びせられて、心がすり減っていく」
- 「給与が上がらず、老後資金をどう貯めたらいいか不安」
こうしたリアルな声は、実際に介護職の離職理由としても非常に多く挙げられています。
特に、介護労働安定センターが公表している調査データによると、「精神的負担・ストレス」「人間関係の悩み」「将来への不安」は、介護職の退職理由の上位を占めているんです。
つまり、あなたが今感じている「辞めたい」という気持ちは、決して特別なことではなく、介護現場で働く多くの人が抱えている“共通の悩み”なんですね。



無理に気持ちを押し殺さず、「今の自分はどうしたいのか?」を冷静に見つめることが、次の一歩につながっていきますよ。
②介護職を辞めた人のリアルなその後【体験談3選】
ここでは、実際に50代で介護職を辞めた3人の体験談をご紹介します。僕の元同僚や、知り合いに協力していただき、意見を集めました。
辞めるという決断は簡単ではありませんが、辞めたからこそ見えた景色もあるんです。
名前 | 性別/年齢 | 辞めた理由 | その後の道 | 感想 |
---|---|---|---|---|
Tさん | 女性 / 52歳 | 慢性的な腰痛と夜勤疲れ | 障がい者福祉施設の生活相談員へ転職 | 夜勤なしで体が楽に。人と関われる喜びは続いている |
Sさん | 男性 / 50歳 | 人間関係のストレスと低賃金 | 清掃会社の正社員に転職 | 人付き合いが少なくなり、メンタルが安定。収入も微増 |
Yさん | 女性 / 54歳 | 親の介護とWケアで限界に | 週3日のパート勤務にシフトダウン | 収入は減ったけど、心と時間に余裕ができた |
このように、「辞める」ことで環境が変わり、心や体が楽になったという声は決して少なくありません。
もちろんリスクはありますが、「辞めたらどうなるか?」を知るだけで、不安はぐっと減っていきます。



あなたにも、きっと自分に合った“その後”が見つかるはずです。
③辞めたいけど不安…50代が取るべき3つの選択肢
「辞めたい…けど、この年齢で次が見つかるのか不安」「今の生活をどう維持すればいいかわからない」そんなふうに思い悩む50代の方はとても多いです。
辞めたい気持ちは本音。でも、不安も現実。
だからこそ、“辞めるか続けるか”という二択だけではなく、段階的に考える「3つの選択肢」で整理してみましょう。
ひとつずつご紹介しますね。
選択肢①:「今は続けながら、転職活動だけ始めておく」
これは最もリスクが低く、現実的な選択肢です。
特に50代は、「即退職→無職」になることで、家計にも精神的にもダメージが大きくなりがちです。
転職活動といっても、いきなり履歴書を書く必要はありません。
- 転職サイトに登録して、求人情報を“見てみる”
- 転職エージェントに相談だけしてみる
- どんな職種があるのか、条件だけ整理する
こうした行動でも、「辞めたあとの現実」が見えてきて、気持ちが整理されるんですよね。



辞めたい気持ちをガマンするだけじゃなく、“出口をつくる準備”から始めてみるといいでしょう。
おすすめの転職エージェントについてこちらの記事でまとめたので、辞める前に自分に合いそうなところへ相談することをおすすめします。


選択肢②:「働き方を変えて、距離をとる」
「辞める=介護職を完全にやめる」と思っていませんか?
実は、「週3日勤務」「夜勤なし」「パート勤務」「無資格者OKの補助職」など、介護職のなかでも“体と心に優しい働き方”はあります。
今の環境がつらいのなら、まるごとやめる前に「負荷を減らす働き方にシフトする」というのも一つの手段です。
具体的には、以下のような求人があります。
勤務形態 | 主な業務 | 月収目安 |
---|---|---|
週3日・日勤のみ | 入浴準備・シーツ交換・送迎補助 | 約10〜13万円 |
夜勤専従(週1〜2回) | 見守り・排泄介助 | 1回1.5万〜2万円(掛け持ち可) |
有料老人ホームの生活支援 | 買い物代行・配膳など | 約12〜15万円 |



「辞めたい=全部手放す」ではなく、“しんどい部分だけを手放す”という発想を持つことが大切ですね。
選択肢③:「いったん休職 or 有給消化で“心の余裕”を取り戻す」
心と体が限界にきているなら、退職より先に“回復”を優先することも大切です。
まずは有給をフルに取る、もしくは「診断書」をもらって短期休職するという方法もあります。
一度休んで冷静になると、「実は続けられることに気づいた」「転職に向けた準備ができた」という声も少なくありません。
とにかく今は、“判断するためのエネルギー”が必要なタイミングかもしれません。
休むのは逃げではありません。むしろ“立て直すための行動”なんですよ。
このように、「辞めたいけど不安…」という時は、ムリに今すぐ結論を出さなくてもいいんです。
大事なのは、あなたの心と体が壊れてしまう前に、小さな行動を始めること。



どれか一つでも試してみてください。きっと、気持ちに余裕が出てきますよ。
④今すぐ辞める前に確認したい5つのチェックリスト
辞めたい気持ちがピークに達しているとき、勢いで「明日辞めます」と言いたくなることもありますよね。
でも、50代という人生の後半に差しかかるこのタイミングだからこそ、衝動ではなく“戦略的に動く”ことが大切です。
ここでは、辞める前に確認しておきたい「5つのチェックポイント」を紹介します。
これらを一つずつ整理しておくことで、後悔のない決断につながりますよ。
チェック①:「辞めたい理由」が一時的なストレスじゃないか
一時的な人間関係のトラブルや、繁忙期の業務負荷などは、時間が経てば改善する可能性があります。
たとえば、「あの先輩に怒られたからもう辞めたい」と思っても、その先輩が異動になることも。
「辞めたい気持ち」が“環境”に根ざしているのか、“一時的なストレス”なのかを自分に問いかけてみましょう。



感情だけでなく、状況の継続性を見ることが大切です。
チェック②:「転職先」や「収入の目処」はあるか?
辞めたい理由が「心や体の限界」である場合、すぐにでも退職が必要かもしれません。
ただ、そうでない場合は、“次の道”をある程度見つけてから辞めるのがベストです。
50代の再就職は20代と違って時間がかかることもあります。
ハローワークや求人サイトで「どんな求人があるか」だけでも調べておきましょう。



「あ、意外と働けそうな職場あるんだ」と思えたら、気持ちが軽くなりますよ。
チェック③:「お金の備え(最低3ヶ月分の生活費)」はあるか?
退職してすぐに収入が断たれると、精神的なプレッシャーも増してしまいます。
理想としては、「生活費の3ヶ月分+転職活動費用」を手元に用意しておきたいところ。
以下のように、ざっくりと計算してみましょう。
項目 | 月額目安 | 3ヶ月分 |
---|---|---|
生活費(家賃・光熱費・食費等) | 18万円 | 54万円 |
転職活動費(交通費・履歴書・面接等) | 1万円 | 3万円 |
合計 | 19万円 | 57万円 |



少なくともこの金額が貯金で確保できていれば、退職後の焦りはかなり減らせます。
④ 退職後の社会保険・年金・税金」への対応は?
退職後、意外と見落としがちなのが「社会保険・国民年金・住民税」の支払いです。
これらは無職になっても免除されるわけではないので、以下のような手続きが必要です。
- 会社の健康保険 → 任意継続 or 国保への切替
- 厚生年金 → 国民年金への切替
- 住民税 → 前年収入に応じて課税(6月に請求)
たとえば、厚生年金を脱退した後は、14日以内に国民年金への切り替えが必要になります。
また、収入が少ない場合には「国民年金の保険料免除申請」も可能です。
年金や保険制度の詳細は、日本年金機構の公式サイトでわかりやすく解説されています。



「辞めたあとも出費がある」ということを前提に、退職のタイミングや手続きの準備をしておくと安心ですね。
チェック⑤:「辞めたあとの自分を、想像できるか?」
実はこれが一番大事かもしれません。
「辞めたらきっとラクになる」…そう思っても、現実は“ラクではなく、ただ不安”になることも。
だからこそ、「辞めた後にどんなふうに暮らすか?」「何をして過ごしたいのか?」という未来のビジョンを描いてみましょう。
不安は、具体的なプランが見えてくることで減っていきます。
逆に、何も描けないなら「まだ時期じゃない」のかもしれません。
未来の自分に会いに行く準備、それが“本当の退職準備”です。
この5つのチェックポイントをもとに、一度じっくり自分と向き合ってみてください。
今の自分がどう感じているのか、そして何を大切にしたいのか。



その答えは、あなた自身の中に必ずあります。
50歳で介護職を辞めた後の生活ってどうなる?


「50歳で介護職を辞めた後の生活ってどうなる?」についてお話しします。
それでは、解説していきます。
①再就職先の候補と現実的な収入レベル
「介護職を辞めたら、もう働けるところなんてないんじゃ…」
そんなふうに思ってしまう方も多いですが、50代でも再就職できる仕事は実はたくさんあります。
ただし、「収入」「仕事内容」「体力的な負荷」のバランスを見ながら現実的な選択をすることがポイントです。
以下に、介護職経験者の50代が選ぶことの多い再就職先の一例を紹介します。
職種 | 主な業務内容 | 月収目安 | ポイント |
---|---|---|---|
清掃スタッフ | ビル・施設内の清掃作業 | 約15〜18万円 | 体力面で比較的ラク。接客少なめ |
コールセンター | 電話対応・データ入力 | 約17〜20万円 | 未経験可が多く、研修あり |
障がい者支援施設スタッフ | 生活支援・レクリエーション | 約17〜21万円 | 介護経験が活かせる職場 |
介護施設の事務員 | 電話応対・請求業務・書類作成 | 約16〜18万円 | 身体介助なし。経験者優遇も多い |
マンション管理人 | 清掃・巡回・受付業務など | 約14〜17万円 | 住み込み型など柔軟性あり |
どの仕事も、“介護職よりは負担が軽く、未経験でもチャレンジできる”という特徴があります。
収入は現職より下がる可能性もありますが、その分「心身のゆとり」「働きやすさ」「人間関係のストレス軽減」が大きなメリットになります。



選択肢は思ったより多いので、焦らず探していきましょう。
②介護職から異業種に転職した人の実例
介護職から異業種への転職は、ハードルが高そうに思えるかもしれません。
でも実際は、「介護で培った経験」が意外なところで役立つことも多く、うまく転職している人もたくさんいます。
ここでは、知り合いのつてから聞いた50代で介護職から異業種にチャレンジした人のリアルな例を3つ紹介します。
名前 | 転職前 | 転職後 | 転職理由 | コメント |
---|---|---|---|---|
Nさん(52歳) | 特別養護老人ホーム 介護職 | 食品工場の検品スタッフ | 腰痛と夜勤で体力的に限界 | 黙々と作業する環境が合っていて、気楽に働けています |
Hさん(54歳) | 有料老人ホーム 介護主任 | 市役所の会計パート | 定年後も続けられる職場を探して | 経験を活かして人と接する機会もあり、やりがいも感じています |
Aさん(50歳) | 訪問介護ヘルパー | ドラッグストアの接客・レジ業務 | 人間関係に疲れてしまって | 少人数勤務なので人間関係も穏やかで働きやすいです |
このように、介護職を辞めた後も“自分の特性に合った働き方”に出会える可能性は十分あります。
共通しているのは、「無理せず、心と体に優しい仕事」を選んでいること。
転職先で年収が大きく増えることは少なくても、毎日を穏やかに過ごせる環境が手に入るなら、それは大きな前進ではないでしょうか。



あなたにもきっと、これまでの経験が活かせる新しい道があるはずです。
③介護福祉士やケアマネなど資格を活かす選択肢
介護職を辞めたいと思っている方の中には、「せっかく取った資格を無駄にしたくない」と感じている人も多いのではないでしょうか。
実は、今持っている介護系の資格を活かして、「別の形」で働く選択肢もたくさんあります。
介護福祉士・実務者研修・ケアマネジャーなどの資格は、“現場だけ”ではなく、もっと広い分野で活用できるのです。
以下に、資格を活かせる代表的な職種をご紹介します。
職種 | 必要資格 | 業務内容 | 月収目安 |
---|---|---|---|
生活相談員 | 介護福祉士 など | 施設での相談対応・契約業務・家族対応 | 約18〜25万円 |
ケアマネジャー | 介護支援専門員 | ケアプラン作成・利用者との面談・連絡調整 | 約22〜30万円 |
介護スクール講師 | 介護福祉士・実務経験 | 資格講座の指導・試験対策のサポート | 時給1,500〜2,500円(非常勤) |
訪問介護のサービス提供責任者 | 介護福祉士 or 実務者研修 | ヘルパーの指導・スケジュール管理・訪問 | 約20〜26万円 |
これらの仕事は、体力的な負担が少ないものが多く、50代でも長く続けやすいのが特徴です。
特にケアマネや講師職は、今後さらにニーズが高まると予想されています。
現場で培った知識や経験は、現場以外でも確実に活かせます。
今の仕事がきついからといって「資格を捨てる」のではなく、「資格の活かし方を変える」と考えるだけで、新しい道が開けてきますよ。



あなたの努力で得た資格。大事にしながら、働き方を見直していきましょう。
④「辞めたら生活できない?」不安への現実的な対処法
「介護職を辞めたい」と思っても、頭をよぎるのが「この年齢で、生活していけるのか…?」という不安。
特に独身の方や一人暮らしの方は、毎月の家計が自分の肩にすべてのしかかってきますよね。
ですが、不安を“感情”で止めてしまうのではなく、“数字”と“制度”で見ていくことで、現実的な対策が立てられます。
以下に、生活への不安を和らげるための具体的な方法を紹介します。
① 退職後の公的支援を確認する
仕事を辞めたあとは、さまざまな支援制度を利用することができます。
これらをしっかり押さえておけば、数ヶ月は安心して生活できるケースもあります。
制度名 | 内容 | 受給期間 |
---|---|---|
失業給付(雇用保険) | 退職後に毎月一定の金額を受け取れる | 最大150日〜330日(年齢・勤続年数により変動) |
職業訓練給付 | ハローワーク指定の訓練を受けながら手当がもらえる | 訓練期間中(月最大10万円+交通費) |
住民税減免・国民年金免除 | 所得が一定以下なら支払いが免除される制度 | 自治体によって異なる |
特に失業給付は、50代であれば支給期間が長くなる傾向があり、平均で月10〜12万円ほど受け取れるケースが多いです。



詳しい支給条件や申請方法は、ハローワークの公式サイトをご覧ください。
② 固定費の見直しで“月3万円”浮かせる
家計の中で「変えやすくて効果が大きい」のが固定費の見直しです。
たとえば、以下のような項目はすぐに見直しできます。
- スマホプランを格安SIMに変更(▲月3,000円)
- サブスク(動画・音楽・ジムなど)を一部解約(▲月2,000円〜)
- 電力会社・ガス会社の乗り換え(▲月1,000円)



合計で月5,000〜10,000円ほど浮かせることができれば、それだけで心理的な余裕も生まれますよ。
③ 転職までの“お試し副業”で収入確保
最近では、副業OKの時代になってきました。
介護職を辞めた後、すぐに正社員にならなくても、短期の収入を得る手段は増えています。
たとえば
- データ入力や文章作成(クラウドワークス、ココナラ)
- ポスティング・軽作業バイト(週2〜3日)
- 高齢者向けスマホ教室のアシスタント
副業から始めて、「これなら自分に向いている」と感じたら、徐々に本業にシフトしていくことも可能です。
介護で培った“気配り・根気・誠実さ”は、どんな仕事にも活かせます。
収入の不安は、“手段を増やす”ことで、確実に乗り越えられるのです。



怖がる必要はありません。情報と行動さえあれば、50代でも生活は立て直せますよ。
辞めたい気持ちを整理するための具体的ステップ


辞めたい気持ちを整理するための具体的ステップについて解説します。
それでは、順番に解説していきます。
①辞めるor続ける?迷ったときの判断基準
「辞めたい」と思っても、「本当に辞めるべきかどうか?」は悩みますよね。
そんなときは、“感情”ではなく“判断基準”で冷静に自分の状況を見てみましょう。
以下のような基準をチェックしてみてください。
判断ポイント | 辞めたほうがいいサイン | 続けてもいいかもサイン |
---|---|---|
身体の状態 | 毎日疲労困憊/腰痛・頭痛などが慢性化 | 疲れても1日休めば回復する |
メンタル | 涙が出る/朝起きられない/不眠 | ストレスはあるが乗り越えられる範囲 |
人間関係 | 孤立している/パワハラがある | 合わない人はいるが業務には支障なし |
やりがい | 一切感じない/常に辞めたいと考える | つらくても感謝や成長を感じる瞬間がある |
この表に照らし合わせて「辞めたほうがいいサイン」が多いと感じたら、無理をせず行動に移す準備をしましょう。
逆に、少しでも「まだやれるかも」と思える部分があれば、働き方を変える選択も検討してみてください。



大切なのは、「逃げる」「頑張る」ではなく、“自分に合った選択をする”という姿勢です。
②体力・メンタル・人間関係…あなたはどのタイプ?
「辞めたい」と感じる理由は人それぞれですが、大きく分けると3つのタイプに分かれます。
自分がどのタイプに当てはまるのかを把握することで、今後の対策や選択肢が見えてきますよ。
以下に、それぞれの特徴と対処法をまとめました。
①体力限界タイプ
このタイプは、「体がもうついていかない」と感じている方です。
- 腰や膝が痛む、慢性的な疲れが取れない
- 夜勤明けの回復に時間がかかる
- 動作が遅くなっていると感じる
介護職は体力勝負の側面も強く、50代になると無理が効かなくなります。
こうした場合は、「夜勤なし」「軽作業系」「身体介助が少ない業務」などにシフトすることで継続可能になるケースも。



無理をせず、“自分の体に合った働き方”を選ぶのがポイントです。
②メンタル疲弊タイプ
「心がもう限界」という方はこのタイプです。
- 仕事前に涙が出たり、動悸がする
- 人と関わるのが怖くなってきた
- 夜眠れない、朝起きるのがつらい
介護職は感情労働でもあり、利用者や家族、同僚との関係性に心をすり減らすことがあります。
このタイプの方は、まずは「休むこと」が最優先です。
心が削れきる前に、一度立ち止まってください。



その上で、もし働ける余力が出てきたら、「人との関わりが少ない職種」や「在宅ワーク」など、精神的な負荷が少ない仕事を検討してみましょう。
③人間関係ストレスタイプ
「もうあの人と働くのがイヤ…」と感じる方はこちらです。
- 上司や同僚の態度に耐えられない
- 職場で孤立している、無視されている
- 誰にも相談できず抱え込んでいる
人間関係の悪化は、仕事そのものの価値すら見失わせます。
このタイプは、「職場を変える」だけで状況が劇的に改善することが多いです。
同じ仕事内容でも、環境が変わるだけで心が軽くなること、たくさんありますよ。
思い切って環境をリセットすることで、再びやりがいを感じられるようになるかもしれません。
自分がどのタイプに当てはまるのか、改めて確認してみてください。



“原因に合った対策”をすることで、今より確実に楽になる道が見えてきます。
③今すぐ転職活動するべき?準備に必要な3つのこと
「辞めたい」と思っていても、いきなり退職してしまうのはちょっと不安ですよね。
そんなときは、“今すぐ転職活動を始めるかどうか”を見極めつつ、まずは無理のない準備から始めてみましょう。
ここでは、50代の転職を現実的に進めていくために必要な準備を3つにまとめてご紹介します。
① 使える資格・スキルの棚卸し
まず最初にやるべきは、「自分に何ができるか」を見える化することです。
以下のように、手元にある資格や過去の経験を整理してみましょう。
- 介護福祉士/初任者研修/実務者研修などの資格
- 利用者対応/記録作成/リーダー経験
- 人との接し方、マナー、根気強さ
資格だけでなく、“人柄”や“職場での振る舞い”も立派なスキルです。



自信がない方こそ、紙に書き出してみると「意外といろんなことやってきたな」と気づけますよ。
② 求人の「軸」を決めておく
50代の転職では、やみくもに応募するのは時間と労力の無駄になってしまいます。
だからこそ、「何を大事にしたいか」を明確にしておくことが大切です。
たとえば:
- 給与よりも「夜勤なし・日勤のみ」で体に優しい職場がいい
- 収入は下がっても「人間関係が穏やかな職場」を重視したい
- いずれ親の介護もあるので「自宅から近いこと」が最優先
こうして“譲れない軸”を決めておくと、求人を見る目が変わります。



迷いが減って、自分に合った仕事を冷静に判断できるようになりますよ。
③ 転職エージェントを味方につける
転職活動は一人でやろうとすると、意外と不安や迷いが大きくなってしまいます。
そこでおすすめなのが、介護系に特化した転職エージェントを活用することです。
登録すれば、以下のようなサポートが受けられます。
- あなたの条件に合った求人を紹介してくれる
- 職場の雰囲気や離職率なども事前に教えてくれる
- 履歴書や面接のサポートも無料でしてくれる
特に「50代だから不利かも…」と感じている方こそ、プロに相談してみることで、予想外に自分に合った職場に出会えるケースも多いです。



転職は“情報戦”でもあります。信頼できるエージェントと一緒に、じっくり準備を進めていきましょう。
オススメの転職エージェントはこちらの記事で解説しているので、まずは信頼できるエージェントに相談していきましょう。


④退職を伝えるベストタイミングと注意点
「もう辞めたい…」と思っていても、いざ退職を切り出すタイミングや方法は悩みますよね。
特に50代の場合、「年齢的に迷惑をかけたくない」「最後は円満に辞めたい」という気持ちも強いのではないでしょうか。
そこで、辞めると決めたあとに気をつけたい“タイミング”と“伝え方”のポイントをまとめました。
① 伝えるタイミングは「遅くても1ヶ月前」、余裕があれば2〜3ヶ月前が理想
法律上、退職は「2週間前に伝えればOK」ですが、介護現場では人手不足の職場が多く、突然の退職は職場にも負担をかけてしまいます。
スムーズに辞めるためには、可能であれば1〜2ヶ月前には伝えておくのがベターです。



施設によっては、引き継ぎや後任の調整が必要になることもあるので、なるべく早めに伝えるとお互い気持ちよく終われます。
② 話す相手は直属の上司。できれば勤務の落ち着いた日を選ぶ
退職の相談は、まずは直属のリーダーや施設長に伝えるのが基本です。
ただし、業務が立て込んでいる日や、忙しい時間帯に伝えるのは避けましょう。
ベストなタイミングは
- 勤務終了後の落ち着いた時間
- 月初など忙しさが比較的少ない日
- 可能なら、事前に「少しお話したいことがあって…」とアポを取る



感情的にならず、冷静に伝える姿勢が大切です。
③ 辞める理由は「前向き+曖昧」が基本
辞める理由を聞かれたとき、「人間関係が最悪で…」「もう限界です」と言いたくなるかもしれません。
でも、ここで感情的になってしまうと、円満退職が難しくなってしまいます。
伝え方としておすすめなのは、以下のような“前向きだけど詳細は言わない”パターンです。
- 「家庭の都合で今後の働き方を見直すことになりまして…」
- 「自分の体力や健康を見直して、新しい環境を考えています」
- 「次のステップに進みたいと考えて、退職を決意しました」



このように伝えれば、余計な詮索を避けつつ、穏やかに話を進めやすくなります。
④ 有給や退職手続きも早めに確認しておく
辞めると決めたら、残っている有給や退職時の手続き(健康保険、年金、離職票など)についても早めに確認しておきましょう。
施設によっては「有給を全部消化して辞められる」場合もありますし、逆に「辞めた日から失業保険の申請までスムーズに進めたい」などのケースもあるでしょう。
確認しておくと損しないポイント
- 有給休暇はどのくらい残っているか?
- 健康保険の切り替えはどうするか?
- 年金・住民税の手続きはどこで行うか?
しっかり確認しておけば、「辞めたあとにバタバタ…」なんてことも防げます。



円満に、そして自分を守る形で、退職の準備を進めていきましょう。
50歳で介護職を辞めると後悔する?それとも幸せになる?


50歳で介護職を辞めると後悔する?それとも幸せになる?について深掘りします。
それでは、順番に見ていきましょう。
①辞めた人の「後悔したケース」とその理由
「辞めてスッキリした!」という声がある一方で、「あの時、もう少し冷静に考えればよかった…」という後悔の声もあります。
特に多い後悔は、以下のようなものです。
- 「次の職場の人間関係がもっと悪かった」
- 「収入が激減して、家計が苦しくなった」
- 「辞めたあと、目的がなくて無気力になった」
- 「退職後の手続きをちゃんと準備しておけばよかった」
一番の理由は、“感情だけで辞めてしまったこと”。
例えば、Aさん(53歳女性)は、夜勤と上司との摩擦で突然辞表を出しましたが、2ヶ月後には「こんなはずじゃなかった…」と再び転職活動に苦しんでいました。
このような後悔は、「辞めたあとどうするか?」を事前に想像できていなかったケースに多いんです。



辞めることが悪いわけではありません。でも、準備不足での退職は、その後の自分を苦しめてしまう可能性もあるのです。
②逆に「辞めてよかった!」という人の特徴
一方で、「辞めて本当によかった」と前向きに感じている方もたくさんいます。
そうした人たちにはいくつか共通点があります。
ここでは、「後悔しなかった人たちの特徴」と、その背景を見ていきましょう。
特徴①:辞める前に“次の道”をしっかり決めていた
最も多い成功パターンは、「辞める前から次の仕事を見つけていた」ケースです。
このタイプは不安を感じにくく、スムーズに新しい生活に移行できるので、気持ちも安定しています。



退職後すぐに面接→就業という流れができると、空白期間による不安や焦りも感じにくくなるのです。
特徴②:辞める目的が「逃げ」ではなく「希望」だった
たとえば、「もっと人と関わらない仕事がしたい」「資格を活かして働きたい」など、“前向きな理由”で辞めた方は、転職後の満足度が高くなる傾向があります。
逃げたくて辞めた人は、次の職場でまた同じ壁にぶつかる可能性が高いですが、「より良い環境に進みたい」という人は、努力や準備を怠りません。



「辞める」=「前進」ととらえている人は、やっぱり強いですね。
特徴③:家族や信頼できる人に相談していた
50代になると、働き方の悩みを一人で抱え込んでしまいがちです。
でも、「辞めるべき?続けるべき?」という判断に迷ったとき、家族や友人に相談したことで冷静になれたという声もよく聞きます。



「一人で決めたけど、後で家族から反対されてもめた…」というケースもあるので、周囲の理解を得ておくのも重要です。
特徴④:辞めたあとに“やりたいこと”があった
辞めた人の中には、「自分の時間を増やして家庭を大事にしたい」「副業にチャレンジしたい」「今までできなかった勉強をしたい」など、やりたいことが明確な人もいます。
目的があると、時間にも生活にもハリが出ます。
「仕事を辞める=終わり」ではなく、「次の人生のスタート」と考えることができれば、辞めたあとも前向きに歩めるんです。
“辞めたあとに後悔しない人”は、「目的・準備・相談」の3つを意識している方が多いですね。



辞めたい気持ちがあるなら、まずはこの3つを意識して動いてみると良いかもしれません。
③失敗しないために知っておくべき転職の鉄則
「辞めてよかった!」と思えるかどうかは、転職先での満足度によって大きく変わります。
でも実際、転職してから「こんなはずじゃなかった…」という声もよく聞きます。
そこで、失敗しないためにぜひ押さえておきたい“転職の鉄則”を3つご紹介します。
鉄則①:求人票の「いいところ」だけを信じない
求人には「アットホームな職場」「やりがいのある仕事」「未経験歓迎」など、耳障りのいい言葉が並んでいます。
しかし、実際に働いてみたら「全然違った」「人手不足でフォローがない」なんてこともあります。
そのため、応募前に「職場見学」や「口コミ確認」ができるとベストです。



また、転職エージェントを使うと、内情(人間関係、離職率、実際の勤務内容など)を事前に教えてくれるので失敗リスクを減らせます。
事前に転職エージェントに相談したい方はこちらの記事を参考にしてください。


鉄則②:条件は“ひとつだけ”を最優先に決める
「日勤がいい」「近所がいい」「高収入がいい」「人間関係がいい」…全部そろった職場を探すのは、実はとても難しいです。
50代の転職では、「何を一番大事にしたいか」を明確にすることが重要です。
たとえば
- 体力に限界を感じている → 日勤・軽作業重視
- メンタルが疲れている → 人間関係・雰囲気重視
- 家計の心配が大きい → 時給・勤務日数重視



優先順位を決めると、選択肢が絞れて判断もしやすくなります。
鉄則③:焦って「すぐ決める」より、「失敗しない」選択を
「今すぐ辞めたい!」「なんでもいいから職場を変えたい!」という気持ちになることもあると思います。
でも、焦って決めた転職ほど後悔の可能性が高いです。
特に50代の場合、再々転職は体力的にも精神的にも厳しいことがあります。
1〜2ヶ月かけてじっくり情報収集する方が、結局は近道になることも多いんですよ。
「1社落ちた=終わり」ではありません。



自分に合う場所を見つけるために、じっくり丁寧に選ぶ。それが失敗しない最大の鉄則です。
④辞める前に“これだけはやっておく”べきこと
介護職を辞めると決めたとしても、いきなり辞表を出すのではなく、いくつか“やっておくべきこと”があります。
それを事前に準備しておくだけで、退職後の生活や気持ちに大きな差が出てきます。
ここでは、50代で辞める前に必ずやっておきたいポイントを5つに絞ってご紹介します。
① 有給休暇の残日数を確認
「有給は残っているけど、使わずに辞めちゃった…」なんて方、実は結構多いです。
退職前にしっかり確認して、できるだけ有給は使い切りましょう。
残っている有給を全消化しようとすると、煙たく言う人がどこにでもいますが、そのような人とはもう会うこともないでしょうから気にしないようにしましょう。



これは“自分へのご褒美”であり、“生活費の確保”にもなります。
② 失業保険の条件をチェック
自己都合退職と会社都合退職では、失業保険のもらえるタイミングが大きく変わります。
退職理由や離職票の内容によって、給付までに3ヶ月待つケースもあります。



ハローワークやネットで事前に条件を調べておくと安心です。
③ 離職票・源泉徴収票の受け取り申請
退職後に必要になる「離職票」や「源泉徴収票」は、会社から自動的に送られてこない場合もあります。



退職時に「必ず郵送をお願いします」と伝えておくとスムーズです。
④ 家計を3ヶ月分だけでもシミュレーション
退職後は一時的に収入がなくなります。
生活費を家計簿アプリやメモ帳でざっくり計算し、最低3ヶ月分の出費を見積もっておきましょう。
「あ、意外とこれならやっていけるかも」と安心できるかもしれません。
⑤ 気持ちの整理に“未来ノート”を作ってみる
最後におすすめなのが、「辞めたあとにどうなりたいか?」をノートに書くことです。
目標、やりたいこと、働きたい環境、欲しい収入…なんでもいいので書いてみましょう。
頭の中が整理されるだけでなく、「辞めた自分の姿」に前向きになれます。
不安は、何もしないとどんどん膨らみます。



でも、こうして“具体的な準備”をしておけば、心も行動も自然と前に進んでいけるのです。
【まとめ】介護職を辞めたい50歳へ。これからの人生を自分で選ぶために


50歳という節目の年齢で「介護職を辞めたい」と思うことは、決してわがままでも、逃げでもありません。
むしろ、それは“人生の再設計”を考え始める大事なサインです。
このページでは、あなたと同じように悩み、そして一歩踏み出した人たちの体験談や、現実的な転職先、資格の活かし方、不安の乗り越え方を紹介してきました。
辞めるか、続けるかは、人によって答えが違います。
でもどんな選択でも、「自分で決めた」と胸を張れることが、何よりも大切です。
そしてそれは、今この瞬間から始められます。
まずは、小さなことからでいいんです。
- 「転職サイトで求人を見てみる」
- 「有給日数を確認してみる」
- 「自分の希望をノートに書いてみる」
動き出せば、不思議と気持ちも軽くなっていきます。
あなたの人生は、まだまだこれからです。
50歳での選択は、“終わり”ではなく“新しいスタート”。



どうか、自分の人生を、自分の足で選んでいけますように。



あなたの一歩を、心から応援しています。
オススメの転職エージェントについてこちらの記事でまとめました。辞める前にエージェントに相談しておきましょう。




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