介護職で転職を繰り返すとどうなる?決断する前に考えるポイントも解説
もっと自分に合う介護の職場があるんじゃないかなぁ…。
でも前にも転職したことがあるから、何度も転職する介護職ってどう思われるか不安。大丈夫かなぁ?
このような悩みを持つ方へ。介護業界に20年従事していて、介護福祉士としての現場経験や管理職の経験もある僕が本音で伝えますね。
この記事を読めば、介護職で転職を繰り返してしまうことの理由がわかり、その上で、繰り返しの転職を前向きに考えることもできるようになります。
きちんとした目的と理由があれば、転職を繰り返すこと自体が悪いわけではありません。
介護職として転職を繰り返すことがどのように見られるのか、気になる人も多いと思います。もちろんメリットもあるのでお伝えしていきます!
介護職として繰り返しの転職を決断する前に考えるべきこと3つ
転職を繰り返すことに悩んでいる介護職の方にとって、次のステップをどうするかは非常に重要な決断です。
しかし、その決断を急いでしまうと、後から「もっと他にできることがあったのでは?」と後悔することもあります。
ここでは、転職を繰り返す前に考えるべき重要な3つのポイントを紹介するので、早速みていきましょう。
考えること①:今の職場で解決できる問題はないか?
まずは、今の職場で解決できる問題があるかどうかを冷静に見極めましょう。
職場の問題に直面したとき、すぐに転職を考えるのは自然な反応です。しかし、短期間での転職は長期的な目で見たときの自分の評価に悪影響を及ぼす可能性があります。
履歴書や職務経歴書に短期間での転職を繰り返している記載があると、採用側も「この人大丈夫かな?」と不安を感じてしまいますよ。
人間関係のトラブルや業務上のストレスはみんなが抱えるものでもあります。本当に転職しないとどうにもならないのか、上司や同僚へ相談して解決できないか等、よく考えてみてくださいね。
考えること②:転職する理由が本当に転職に値するものか?
転職を考える理由が本当に「転職する価値があるものか」を自問しましょう。
職場環境が厳しいと感じる瞬間は多いかもしれませんが、それが転職に値する理由なのかどうかは冷静に判断する必要があります。
転職の理由が一時的な感情や誤解によるものであれば、すぐに転職を決断するのではなく、冷静になって、理由をもう一度よく考えてみましょう。
考えること③:転職で得られるメリットは何か?
転職によってどのようなメリットが得られるかを具体的に想像してみましょう。
転職は今抱えている悩みに対しての一時的な解決策になることが多いですが、それ以上のメリットがあるのかどうかを見極める必要があります。
自分の将来へとつながるような、新しい職場でのキャリアアップやスキルアップ、より良い人間関係が期待できるのかを具体的に考えてみましょう。
介護職で転職したくなるよくある職場の不満3つ
介護職に就いている多くの人が、職場の環境や人間関係に悩みを抱えているのは珍しいことではありません。
特に、転職を考えるような不満は繰り返されがちです。
ここでは、介護職でよく見られる不満を3つに分けて解説し、それぞれにどのように対処できるかも考えていきましょう。
不満①:人間関係のトラブル
介護職での人間関係のトラブルは、転職を考える大きな要因の一つでしょう。
職場の人間関係が悪化すると、働く環境全体がストレスフルになり、毎日の業務が苦痛に感じられますよね。
チームワークが重要な介護職では、コミュニケーションの不和が仕事の質にも影響を与えることが多いです。
同僚や上司とうまくいかないことが長期間続くと、精神的な負担が大きくなりますよね。
嫌いな人とずっと顔を合わせて仕事をすることもツラいわ…。
このような人間関係の悩みの体験談はこちらの記事で詳しく語っています。
不満②:業務量の多さによるストレス
業務量が多く、プレッシャーがかかることが、介護職での不満の一つです。
介護の現場では、時間に追われたり、複数の業務を同時にこなす必要があるため、精神的・肉体的な負担が大きくなりがちに。
よく耳にしますが、業務量が多すぎてサービス残業が当たり前なんていう職場では気も休まらないですよね。僕は、業務の改善や効率化をみんなで前向きに考えることを続けてきました。
不満③:給与や待遇への不満
給与や待遇が見合っていないと感じることも、不満の大きな要素です。
介護職は体力的にも精神的にも負担が大きい仕事であるにもかかわらず、給与がそれに見合わないと感じる人も多くいるでしょう。
今は求人情報をすぐにネット検索できるため、他の職場と比較し、条件が大きく異なる場合は転職を視野に入れることが妥当ですね。
介護職員処遇改善加算の取り扱いなども職場によって異なります。現在の職場でどのように給与アップや改善される見込みがあるかも把握して、比較材料にしましょう。
転職を繰り返す決断をする前に不満の根本原因を見極める方法3つ
転職を考える前に、自分の本音と向き合い、なぜ不満を感じているのかをしっかりと見極めることが大切です。
人は感情的に行動してしまいがちですが、冷静に不満の原因を突き止めることで、より良い判断ができるようになりますよ。
ここでは、不満の根本原因を見極めるための3つの方法をご紹介しますね。
方法①:感情的な反応と実際の問題を分けて考える
感情に左右されず、実際の問題を冷静に分析することが重要です。
日々のストレスやトラブルが蓄積すると、感情的に問題を大きく感じてしまうことがあります。しかし、それが本当に職場を離れるべき原因かどうかは、冷静に考え直す必要があります。
同僚との一時的な衝突やイライラが大きくなることもありますが、時間が経てば解消されることはよくあります。感情的になっても一旦、落ち着いて考えてみて。
方法②:自分の価値観と職場環境の一致を確認する
自分の価値観と今の職場環境が一致しているかを確認しましょう。
仕事の不満は、職場環境が自分の価値観に合わないことが原因の場合もあります。
自分が本当に大切にしていること(たとえば、人間関係、働き方、仕事の意義など)が職場と合わないと、継続的な不満につながります。
プライベートと仕事のバランスを重視しているのに、長時間労働を強いられる職場では、当然不満ですよね。自分が何を重視して働くのかを大切にしましょう。
方法③:第三者の意見を取り入れる
信頼できる第三者の意見を取り入れることで、客観的に自分の不満を見つめ直せます。
自分だけで考えていると、視野が狭くなりがちに。信頼できる友人や家族、同僚に相談することで、新たな視点を得ることができるでしょう。
僕自身も悩んだことがあったし、部下や友人等からの相談にも何度も乗っています。他の人からアドバイスがもらえると気付けることもありますよね。
介護職で転職を繰り返すメリット・デメリット
転職を繰り返すことには、良い面と悪い面の両方が存在します。
介護職に限らず、どの業界でも転職を繰り返すことはキャリアに影響を与える要素です。
ここでは、転職を繰り返すことで得られるメリットとデメリットを具体的に見ていきましょう。
介護職の転職を繰り返すメリット3つ
介護職の転職を繰り返すことのメリットは次の3つが考えられます。
- 介護スキルや経験の幅が広がる
- 自分に合った職場を見つけやすくなる
- 給与や待遇の改善が期待できる
メリット①:介護スキルや経験の幅が広がる
異なる施設やケアスタイルを経験することで、幅広い知識や技術が身につき、現場での対応力が向上します。
認知症ケア、リハビリ、パーソンセンタードケアなど、施設ごとに異なる専門性を学ぶことができると、スキルアップに繋がりますね。
介護スキルの専門性が高くなれば、入ったばかりの職場でも重宝されるし、みんなからも頼りにされますよ。
メリット②:自分に合った職場環境を見つけやすくなる
複数の職場を経験することで、業務スタイルや職場の雰囲気を比較し、最も自分に合う職場を選べるようになります。
最初は業務量が多くストレスを感じる施設にいたが、転職を通じて少人数のケアが可能な施設を見つけ、働きやすさが向上したといったこともあるでしょう。
施設・訪問・通所などなど。介護職の働く現場は多くの種類があります。その中で、自分のライフスタイルに合う職場を見つけていくことも大事ですね。
メリット③:給与や待遇の改善が期待できる
転職を重ねることで、条件の良い職場やポジションを得るチャンスが増えるため、結果的に給与や待遇が向上することがあります。
採用情報を調べてみると、時給や基本給が上がるというケースも多々あります。また、自分の資格や経験を活かして管理職等のポジションからスタートできることもあるでしょう。
現在の職場で自分の専門性や実力が発揮できていないと思うのなら、それを活かせる場所を探すことも良いですね。
介護職の転職を繰り返すデメリット3つ
一方、転職を繰り返すことで次のようなデメリットがあることも覚えておく必要があります。
- 職場での信頼関係が築きにくくなる
- 転職回数が多いと採用に不利になることもある
- 次の職場でも同じ不満に直面する可能性がある
デメリット①:職場での信頼関係が築きにくくなる
転職を繰り返すと、職場での信頼を築く前に職場を離れるため、長期的な信頼関係が希薄になる可能性があります。
何度か転職を繰り返すうちに、上司や同僚との深い信頼関係が築けず、相談しにくい環境で働き続けることになってしまうなんてこともあるでしょう。
良い人間関係が築けないと、相談やコミュニケーションがスムーズにできないストレスになることもありますね。
デメリット②:転職回数が多いと採用に不利になることもある
転職回数が多いと、採用担当者が「すぐに辞めるのでは」と不安を抱くことがあり、慎重に見られる可能性が高まります。
応募先の面接で「なぜこれほど転職を繰り返しているのか」と質問され、面接時間の多くをその説明や言いわけに費やすことになってしまった、なんてケースもあります。
採用側の立場からすると、短期間で転職を繰り返していたら、不安になるのも当然でしょう。前向きな理由を準備しておきたいですね。
デメリット③:次の職場でも同じ不満に直面する可能性がある
転職理由が人間関係や労働環境の問題であった場合、次の職場でも同じ問題に直面する可能性があり、根本的な解決にはならないことがあります。
前職で上司とのトラブルが原因で転職したが、新しい職場でも似たような人間関係のトラブルに直面し、再び転職を考える状況になったなんていうことも十分考えられますよね。
自分なりに転職に至った経緯を振り返り、原因を解決するようにしなければ成長もできません。同じことを繰り返してしまいます。
介護職で転職を繰り返すことを前向きに決断するためのポイント3つ
転職を繰り返すことに対して、不安や迷いを感じるのは当然でしょう。
しかし、どうしても現在の職場に満足できない場合、転職は前向きなステップになることもあります。
ここでは、転職を繰り返すことを前向きに決断するための3つのポイントを紹介しますね。
ポイント①:自分のキャリアビジョンを明確にする
転職を前向きに決断するためには、自分のキャリアビジョンを明確に持つことが重要です。
転職は単なる職場の変更ではなく、将来的なキャリア形成の一環です。自分がどのような仕事をしていきたいか、どんな職場で成長したいかをはっきりさせることで、転職の意味が明確になりますよ。
介護職としての自分のキャリアを想像し、そのために必要なスキルや経験を積むための転職であれば、前向きだし、成功と言えるでしょう。
ポイント②:退職理由をポジティブに伝えられる準備をする
転職活動では、退職理由をポジティブに説明できる準備をしておくことが重要です。
転職を繰り返すことに対して、採用担当者は慎重に見ることが多いため、退職理由が前向きなものであると伝えることが必要でしょう。
上司や同僚とうまくいかなかった、待遇が悪かったなど、過去の職場での不満ばかりを話していては人間性を疑われますよ。
ポイント③:転職を失敗と捉えず、学びと考える
転職を繰り返すことを失敗ではなく、学びや成長の機会と考えることで、前向きな決断ができます。
転職を繰り返すことに対して後ろめたさを感じることもありますが、どんな職場でも新しいスキルや経験を得られるチャンスがあると考えることで、ポジティブな転職活動が可能になるでしょう。
転職のたびに新しいことを学び、それが次のステップに活かせると考えれば、転職を繰り返すことは必ずしも悪いことではありませんね。
【FAQ】よくある質問とその回答
ここでは「介護職で転職を繰り返すことってぶっちゃけどうなんだろう…」と不安を感じている人に向けて、良くある質問とその回答を掲載していきます。
まとめ:介護職で転職を繰り返すとどうなる?決断する前に考えるポイントも解説
この記事の大事なポイントをまとめます。
- 転職を繰り返す前に、今の職場で問題を解決できる可能性がないかを確認し、感情的な決断ではなく冷静に判断することが大切なこと
- 介護職での転職理由として多いのは、人間関係のトラブルや業務量の多さ、そして給与や待遇への不満であり、それぞれに適切な対処が求められること
- 不満を感じた場合、自分の価値観や優先順位が職場と一致しているかを見極め、根本原因を把握することでより良い判断ができるようになること
- 転職を繰り返すことにはスキルアップや経験の幅が広がるメリットがありますが、同時にキャリアの安定性や信頼性に影響を与えるデメリットも存在すること
- 転職を前向きに決断するためには、自分のキャリアビジョンを明確にし、退職理由をポジティブに伝える準備をし、転職自体を学びの機会と捉えることが重要なこと
ネガティブな理由や自己中心的な考えが理由での転職を繰り返すことは、自分にとってマイナスになります。これで短期間の転職を繰り返してしまうと、採用には確実にマイナス要素ですね。
ライフワークとして自分らしく働きたい、スキルやキャリアを積極的にアップしていきたいという考えがしっかりあれば、転職を繰り返すことも、自分にとってプラスとなることでしょう。
転職を繰り返すこと自体が悪いわけではないのね。
転職をすることの理由や目的を自分なりに考えることが大切。「考えることができる」人材なら職場も求めてくれますよ。
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